第163回芥川賞受賞「首里の馬」(高山羽根子さん)を読みました

小説

こんにちは、ふみチッカです。

今回、第163回の芥川賞受賞作品である高山羽根子さんの「首里の馬」を読みましたので、

できるだけネタバレなしでご紹介します。

「首里の馬」の概要

新潮社サイトより、あらすじお借りしました。

沖縄の古びた郷土資料館に眠る数多の記録。

中学生の頃から資料の整理を手伝っている未名子は、世界の果ての遠く隔たった場所にいるひとたちにオンライン通話でクイズを出題するオペレーターの仕事をしていた。

ある台風の夜、幻の宮古馬が庭に迷いこんできて……。

世界が変貌し続ける今、しずかな祈りが切実に胸にせまる感動作。

新潮社サイトより

こちらの本は、雑誌「新潮」の2020年3月号に掲載されていたお話で、
第163回芥川龍之介賞の受賞作品です。

2020年7月に単行本として出版されました。

ページ数は159ページとなっており、そんなに厚い本ではないので、手に取りやすい本だと思います。

高山羽根子さんの著書紹介

高山羽根子さんは、『首里の馬』以外にも、『うどん キツネつきの』(第1回創元SF短編賞佳作)、『太陽の側の島』(第2回林芙美子文学賞)、『オブジェクタム』、『居た場所』、『カム・ギャザー・ラウンド・ピープル』、『如何様』など多数の著書があります。

「首里の馬」の感想

手に取りやすいサイズ感

すみません、形とか見た目とかから入るタイプなんです。

首里の馬は、手の小さい(否、指の短い)わたしでも、パッと手に取れるサイズ感。

前述しましたようにページ数が多くないので、手に持った感じが軽くてうれしい。

普段、本を読んでいない方にも、手に取りやすいサイズ感だと思います。

 

不思議な表紙に引き込まれる

この表紙を見ると、なんだか不思議なモノが描かれています。

一見、恐そうだったり、謎な雰囲気たっぷり。

表紙カバーをめくると、一転してきれいな水色の本体の色が現れます。

表紙の裏の紙も、良いダンボールの紙?みたいな感じで新鮮。

装丁好きのわたしとしては、すごくそそられる本の装丁で、本へのわくわく感が高まります。

 

島の私設資料館のお手伝いをしている主人公

冒頭、主人公の未名子が沖縄の私設資料館で、整理をしている様子からはじまります。

この資料館は、一般に開かれているわけではなく、観光スポットでもなく、ただ単に個人が収集した沖縄に関する資料を保存しているところ。

誰が訪れるでもないところで、もくもくと整理の作業を行っています。

この地道な整理の作業をたった一人で淡々と行っている様子が書かれているのですが、

そこから未名子の人柄や、資料をただの資料ではなく、物語を持った宝物であると考え、ひとつひとつを大切に扱っている気持ちが読み取られます。

そこが読んでいて、気持ちがよかったです。

 

そんな1日のうち多くの時間をここで過ごす未名子ですが、ここは未名子の職場ではないというのです。

 

クイズを出す仕事?!

未名子の職業は、オンライン通話でクイズを出すオペレーター。

パソコンを使って通信し、遠方にいる登録された解答者にクイズを読み、答えてもらうこと。

答える相手は常に一対一で、一回の通信につき、25問の出題と回答を行う。

未名子がクイズの問題を考えるわけではなく、パソコン上にクイズが表示されるようになっていて、未名子はそのクイズを読みあげる人です。

これが仕事。

 

この時点でおもしろい。

さらに興味深いことが、これが仕事として成り立つには、当然お金を払って、クイズを解答する人がいるわけで、そのクイズの解答者たちが、なんだか特殊な環境にいる方たちのようなんです。

ちなみに解答者の方たちは、日本人ではなく外国の方ですが、未名子の日本語のクイズを理解し、日本語で解答しますし、そのクイズの内容も知識人でなければ解けないような、すごく難しいクイズです。

そしてクイズに正解したからと言って、賞金などがもらえるわけではありません。

 

もしかすると、ほんとにこういう職業ってあるんじゃないかと想像します。

特殊な環境に身を置いているからこそ、このクイズのやり取りが必要な方がいて、それが職業として成り立つ。

世界には、わたしのような一般人が知らないような世界がたくさんあって、秘密の機関とか、世間には知られていない仕事とか、あるんだろうなぁとか、想像するだけでおもしろいです。

それぞれの解答者の特殊環境については、物語の後半で明らかになってくるので、お楽しみに。

 

そして突然の馬

そんなクイズの仕事をしたり、島の私設資料館の整理を手伝ったりしていた未名子の自宅の庭に、突然、弱った馬が現れます。

そういえば、本の題名が『首里の馬』だったな、とここで思い出しました。

 

どこから、どういう理由で現れたのか、まったくの謎の馬。

とりあえずひと晩は保護して、翌日に警察に届け出たのですが、

そのあとは、未名子がまったくの予想外な行動に出ます。

以降、ずっと未名子のターンで、わたしは若干おいけぼりをくらったような(笑)

「え、マジですか?!」

と思いながら、最後まで読みましたが、

なんだか、すがすがしい気持ちになりました。

 

たびたび読み直してみたい本

この本は、そんなに難しい内容ではないですし、ページ数も多くないので、すらっと読めます。

最後まで読み切ることはできますが、たぶんわたしは小説の内容は理解はできてない、という感じがしました。

ちょっと急いで読んじゃったかもしれません、じっくり読むことをおすすめします。

 

でもね、結局おもろかったんですよ。いまの私にはそれが感じられただけでも十分。

またたびたび見返したら、また印象が変わるかもしれません。

それが楽しみでもあります。

おわりに

本屋大賞の本とかは、よく読んだりしてましたが、

なかなか芥川賞作品というのはとっつきにくくて読んだことがありませんでした。

今回の『首里の馬』はシチュエーションも興味深いですし、難しい内容ではなく、読みやすいお話なので、ぜひ読んでみて下さい。

みなさんがどう感じられるのか、読んだ感想が気になります。

わたしももう一回じっくり読み直してみようと思います。

それでは、お読み頂きまして、どうもありがとうございました!!

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