昭和の洋食バーが舞台のおいしい小説「捨て猫のプリンアラモード」(麻宮ゆり子さん)

小説

こんにちは、ふみチッカです。

おいしい食べ物が出てくる小説が好きなわたし。

今回、なんともおいしそうな題名に惹かれて、麻宮ゆり子さんの「捨て猫のプリンアラモード 下町洋食バー高野」を読みましたので、ご紹介します。

「捨て猫のプリンアラモード」の概要

角川春樹事務所サイトより、あらすじお借りしました。

オリンピックまで2年、昭和37年の東京。
17歳の郷子は、2年前に集団就職で上京したものの、劣悪な労働環境から工場を逃亡した。そのまま上野駅でうろうろしていたところを、浅草にある「洋食バー高野」のおかみ・とし子に拾われ、そこで働くことに。
工場での食事のトラウマからずっと食べられなかったカレー、初体験! 揚げたて熱々カツサンド、心に沁みわたる感動のプリン……。美味しく温もりあふれる絶品料理と人びとに出会い、郷子は新しい“家族”と“居場所”を見つけていく。
平日の昼間から多くの人が集う、下町の社交場「洋食バー高野」を舞台に描く、少女の上京物語。

角川春樹事務所サイトより

こちらの本は、2020年7月に発売された、書き下ろしの小説です。

ページ数は217ページとなっており、物語も分かりやすく、すーっと入ってきて読みやすいので、サクサク読める本です。

麻宮ゆり子さんの著書紹介

麻宮ゆり子さんは、「捨て猫のプリンアラモード」以外にも、「敬語で旅する四人の男」(第7回小説宝石新人賞受賞)、「仏像ぐるりのひとびと」、「碧と花電車の街」、「世話を焼かない四人の女」などの作品があります。

私は「仏像ぐるりのひとびと」を読んだことがあります。
もともとお寺とか仏像が好きなんですが、本の内容は堅苦しくないですし、難しくもないので、おすすめの本です。

「捨て猫のプリンアラモード」の感想

本の装丁が美しい

本の内容じゃなくて、すみません。
わたし、本の装丁とかも結構見ちゃう方なんです。好きなんです。

表紙絵も素敵ですし、表紙をめくった中にある題名が書いてあるページが、特別な紙になってます。

白くて透け感のある紙なんですが、チェック模様の凹凸がある素材で、思わずじっくり見たり触ったりしちゃいます。透かした先に、目次が見えるようになっているのも素敵。

目次のページも、おしゃれなレストランのメニュー表みたいな感じで書かれていて、素敵。

読む前からワクワクします。

昭和の時代の雰囲気がよく伝わってくる

このお話の舞台は昭和37年の東京・浅草です。今から58年前のこと。

高度経済成長期のまっただ中で、2年後(1964年)に開催される東京オリンピックを前に、ビルや高速道路の工事が進んでいることが書かれています。(オリンピック景気)

そんな中、工場生産システムが大量生産になったりと、労働者が不足したため、地方から中学校卒業者が集団で都市部へ就職したそう。

主人公の郷子は、故郷の群馬から集団就職しましたが、労働環境の悪さから、就職先の工場から逃げたし、偶然出会った洋食バー高野のおかみさん・とし子に助けられます。

私は不勉強のためこの時代のことを知りませんでしたが、こちらの小説を読んで、「こういう時代で、こういう暮らしだったんやなぁ」と感じることができました。

またお話の中には、この時代に流行っていた歌がいくつか出てきます。

「銀座の恋の物語」、「黄昏のビギン」、「私の青空」

この歌を聴きながら本を読んでみるとよりこの時代に浸ることができると思います。

おいしそうな料理がたくさん登場

洋食バーが舞台になっているので、おいしそうな料理たちが、お話にたくさん出てきます。

カレーライス、ハンバーグ&にんじんのグラッセ、カツサンド、牛鍋、ビーフシチュー、プリンアラモード・・・

料理が主役というわけではなく、それぞれのお話のなかにうまくポイントとして料理が出てきて、お話の内容をさらに深くしています。

 

主人公の郷子の友人である小巻ちゃんの素敵な言葉があります。

せっかく美味しいカツサンドを食べたのに、逆に悪いことが起こるんじゃないかっていう貧乏臭い発想なんて私は嫌。肉は正義!女の子はタンパク質と鉄分がたっぷり含まれた肉を食べることが大事なの。わかった?

113ページ

「肉は正義!」なので、女性はお肉を食べましょう!

生きることにただまっすぐに

主人公の郷子をはじめ、この物語の登場人物たちは、生きることにまっすぐです。

それぞれにこころに思いがあって、その言動がカラッとしていてわかりやすく、読んでいてすっきりします。

約60年前でこんなにも時代が違うのか、と驚きながら、

自分が生きていない昔の時代に思いをはせつつ、自分は今生きているこの時代をまっすぐに生きているのか、

改めて、自分の生き方を振り返りつつ、わたしは私の思う人生を生きていくぞ!という新たな気持ちも湧いてきました。

おわりに:

昭和の時代の雰囲気がよく感じられますし、時代を知るための勉強になりました。

実際、こちらの本を読むまで、「集団就職」のことをほとんど知りませんでした。

昔の時代を知ることは、今の時代を生きることのヒントにもなると思います。

とびっきりのおいしそうな料理とともに、魅力的な登場人物に入り込んで、ぜひ読んで見て頂ければと思います。

本日はお読み頂きまして、ありがとうございました!!

それでは、また~

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