洋館に住む妖しい美少年たちの謎:ミステリー小説『暗闇の囁き』(綾辻行人さん)

小説
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こんにちは、ふみチッカです。

今回ご紹介する本は、新装改訂版として発行された綾辻行人さんの『暗闇の囁き』です!

 

綾辻さんといえば、『十角館の殺人』が有名。

わたしも十角館を読んで以来、綾辻ワールドのファンです。

 

 ↓『十角館の殺人』、ミステリー好きの方は、ぜひ読んでみてください!!

 

『暗闇の囁き』は綾辻行人さんの『囁きシリーズ』の第二弾

『十角館の殺人』をはじめとする『館シリーズ』はいくつか読んでいましたが、今回の読んだ『暗闇の囁き』も、『囁きシリーズ』というもののひとつだそう。

2021年現在、『囁きシリーズ』は、『緋色の囁き』『暗闇の囁き』『黄昏の囁き』の三冊が発売されています。

 

清原紘さんによる表紙が美しい『暗闇の囁き』

今回はじめての囁きシリーズ、内容も知らず惹きつけられた理由は、この表紙。

 

ダークな雰囲気の中に、横たわっている2人の美しい少年。

 

もともと『暗闇の囁き』は初刊が1989年に祥伝社から出版され、
1998年に文庫版が講談社から発売、
その文庫版を全面改訂した新装改訂版として2021年5月に出版されたのが、
↑こちらの表紙のものです。

つい手に取ってしまう、美しい表紙です。

このイラストを描かれたのはイラストレーターの清原紘きよはらひろさんという方で、

『十角館の殺人』のマンガを描かれている方でした。

 

『暗闇の囁き』のあらすじ

そして気になるあらすじがこちら。

森の狭間に建つ白亜の洋館。

美しく謎めいた兄弟・実矢(みや)と麻堵(まど)の周囲で相次ぐ奇怪な「死」。

ある者は髪を、ある者は眼球を……奪われた死体の一部(パーツ)は何を意味する? 

兄弟がひた隠す もうひとりの少年「あっちゃん」の秘密とは?

恐ろしくも哀しい真相が胸を打つ「囁き」シリーズ第二弾、完全改訂の決定版。

講談社BOOK CLUBより

 

洋館✖️美しい少年✖️ミステリー。

このワードだけでもかなり興味を惹く内容です。

 

さらに、あらすじの最後にある、”恐ろしくも悲しい真相”とはいったい何なのか?

単純な殺人ではなさそうな物語、気になって読まずにはいられません。

 

『暗闇の囁き』を読んだ感想

”犯人当て”でも、”トリック当て”でもないミステリー小説

わたしのミステリー小説の読み方は、

  • いったい誰が犯人なのか?
  • どうやって犯罪を成し遂げたのか?
  • なぜ犯行に至ったのか?

これを考えつつ読み進めて、物語の種明かしがされる前に、自分で推理したいタイプです。
(残念ながら、たいてい必死に考えてもわからないんですが・・・)

 

しかしこの『暗闇の囁き』は、そういうことを考えながら読む小説ではありませんでした。

 

というのも、犯行のシーンについては、すでに書かれてあったり、

犯人については、”容疑者がたくさんいて全員疑わしい”というものではなく、ほとんど”この人ではないか?”ということが絞られています。

 

え、じゃあ何がおもしろいの??

この物語のポイントは、あらすじにもある、謎の少年「あっちゃん」です。

 

謎の少年「あっちゃん」の真実にせまっていく物語

表紙のイラストに描かれている二人の少年は、森の中の洋館に住む兄弟で、

現実離れした美しい容姿をしており、まるで”別の世界の住人”のようです。

 

そしてこの兄弟が、ひそかに森で遊んでいる「あっちゃん」という謎の少年。

「あっちゃん」は兄弟との会話のみに登場し、「あっちゃん」の存在を兄弟二人だけの秘密として、その存在を他の人には決してしゃべろうとしません。

 

兄弟の周りで奇怪な「死」が発生していくなか、お話の合間に、兄弟とあっちゃんの”意味深な会話”が挿入されています。

この会話こそが、題名の『暗闇の囁き』なんですね。

 

殺人自体もおそろしいですが、この兄弟とあっちゃんの”囁き”が入っていることによって、

どういうこと?

なぜ兄弟はあっちゃんの存在をひた隠しにするのか、

あっちゃんはいったい何者なのか、、

これはミステリーではなく、ホラーなの?!

といろいろな疑問がわいてくるのです。

 

まさにここがこの小説のおもしろいところであり、いったいこの「あっちゃん」は何者なのか?という、真実にせまっていく物語です。

 

どんどん明らかになる秘密、真実に近づくなるほどに怖くなる

読み進めていくうちに、あっちゃんは何者なのか?ということに少しずつ近づいていきます。

ですが、次第に明らかになっていくほどに、「なるほど!」と、すっきりクリアになっていくというのではなく、

むしろ、どんどんと怖くなっていくんです・・・。

そんなはずはない、どういうこと?、と。

 

ホラーとミステリーのはざまを行き来しているような、そんな感覚

ホラーが苦手なわたしは、怖くなりつつも、深まる謎の真相を知りたくて、どんどん読み進めていきました。

 

そして悲しい真相へ

そしてラストでついに明かされる秘密。

痛快であるとか、すっきりしたとかではない読後感、でもイヤミスでもなくて。

美しくも悲しい物語です。

小説を読み終わったあと、あらためてこの美しい表紙をしみじみと眺めてしまいます。

 

がっつり謎解きミステリー小説ではありませんが、わたしはこの世界観が好きでした。

頭を使って推理するのではなく、読む進めるままにこの世界にどっぷり入りこんで、物語を読む感覚で、読んでいくのがおすすめです。

ぜひ読んでみてください。

 

 

ガッツリ”犯人当て”を楽しみたい方はこちらがおすすめです。

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