こんにちは、ふみチッカです。おいしい食べ物小説が好物です。
今回は浅水ハヅキさんの『札幌夜パフェ「紅うさぎ」の裏メニュー」を読みました。
今までパフェとは無縁だったわたし、本書を読んで、自分の中に新たなパフェの扉が開かれました。
読めば必ずパフェが食べたくなる小説ですよ。
『札幌夜パフェ「紅うさぎ」の裏メニュー』の概要
小学館より、あらすじお借りしました。
オトナのパフェは、優しく甘く心を癒やす。
札幌市内の繁華街、高いビルに囲まれた一角に、ぽつんと建つレトロな石蔵があった。
そして、そのずっしりと重い扉にはこんな文字が掲げられている。
――『パフェバー・紅うさぎ』。
そう、ここは知る人ぞ知る、夜にひらくオトナのためのパフェ専門店なのだった。大学二年生の平牧紅葉は、大学入学の直前に会ったきりの兄・岳人に会うためにここへ来た。というのもこの紅うさぎは、岳人がオーナーをやっている店だったからだ。
しかし、肝心の兄は海外出張のために不在。急ぎ兄と連絡をつけてもらう間、紅葉は店長の池口からパフェの試食をすすめられるが、実は紅葉にとってパフェはいい印象のないスイーツだった。なんなら苦手な食べ物、トラウマとまでいってもいいくらいだ。というのもそれは、幼少の頃、両親が離婚したときの苦い思い出に直結している味だったから。
見た目も味も極上のパフェを口にして、紅葉の心はほどけていく。そして、ふしぎな縁で繋がった「紅うさぎ」の人々とともに、穏やかな日々は過ぎていくことに……。
北海道を舞台にした、ほっこり癒やしの物語!
小学館サイト
こちらの本は、2020年10月に発売された、書き下ろしの小説です。
192ページの文庫小説で、めちゃめちゃ手にとりやすいです。
内容も文章も読みやすいので、数時間で読み切りました。
『札幌夜パフェ「紅うさぎ」の裏メニュー』の感想
美しいパフェの世界を知ってしまった
わたし、思い出そうとしてもパフェを食べた記憶がないんです。
甘いものがキライなのではなく、パフェにご縁がなくて。
はっきり言って、パフェって高いじゃないですか。
この値段ならランチ食べられるよなぁ・・・と思ってしまうんです。(かなしい思考…)
あと結構ボリュームがあるイメージでして、いつのタイミングで食べるものなのか?という疑問を持っていました。
私は一度にあんまり量が食べられないので、食後は無理だし、おやつのカフェタイムに食べると夜ごはんは食べられなくなるし、と食べるタイミングが分からないまま、食べ逃がしてきました。
なのでパフェ自体にはそんなに興味がなかったんですが(すみません)、テレビで聞いたことのあった”シメパフェ” ”夜パフェ”の世界には雰囲気も含めて興味があって、本書を手に取りました。
そして、本書を読み終わったいま、わたしの中のパフェの扉が開かれてしまい、ものすごくパフェが食べたい欲求にかられております!!
パフェ=完璧なデザート

わたしのパフェのイメージは、コーンフレークがあって、生クリームがたっぷり。ちょこんと鮮やかすぎるピンクのサクランボがのっていて、上からチョコレートソースがかかっている・・・。
という感じの昔ながらのイメージで止まっていました。
でも本書を読んでいますと、
生クリーム、フルーツ、ジェラート、ヨーグルト、アイス、クッキー、サブレ、コーンフレーク、さらには、ずんだや、豆大福、羊羹が入っていたりと、パフェはデザートの集合体となっており、そりゃあそれだけの価格になるよね、と納得しました。
そして勘違いしていたのが、パフェって単に「いろんなものを載っけたデザート」、だと思ってたんですよ。
でもただ載っけているだけではなくって、食材のバランスや食べる順番を考えて設計し、組み立てられており、芸術作品のようなものであると、知りました。
パフェの語源はフランス語の「parfait(完璧な)」。
”完璧なデザート”という意味とされているそう。
パフェを構成するひとつひとつのお菓子たちがすでにおいしそうな上に、それらを組み合わせて作るパフェはまさに完璧な夢のデザートですね。
オンリーワンの即興で作られるパフェ
この本の舞台であるパフェ専門店の「紅うさぎ」では、芸術的に美しくおいしそうなパフェがたくさん出てきますが、通常のメニューのほかに、夜12:00以降だけ食べられる裏メニューがあります。
それが即興パフェです。
これはパフェの作り手である店員の池口さんが、お店にある材料を使って、お客さんに合わせて作るパフェ。
主人公の紅葉は、10代だったため、夜12:00以降しか注文できない即興パフェを食べたことがありませんでしたが、20歳の誕生日を迎えた日にこの即興パフェを食べます。
それがまさに紅葉のためのオンリーワンのパフェで、ものすごくおいしそうなんです。
目の前でパフェを作ってくれて、パフェの説明をしてくれて、「これはあなたをイメージしたパフェです」とか言われたら、ほんま「惚れてまうやろおおおお」の世界です。
わたしもオンリーワンのパフェ、食べてみたい・・・。
小話:人物よりパフェ??
「紅うさぎ」でパフェを作ってくれる池口さん。
表紙絵にも描かれているイケメンさんなんですが、意外とお話の中では、”イケメン”だとか”かっこいい”とか書かれてなかったように思います。
池口さんを具体的に示すような描写はあえてしていないような。
その分、わたしは勝手に自分の中で池口さん像を作って読むことができました。
それよりも、パフェの描写がとっても細かく書かれているので、著者の浅水さんはほんとにパフェのお話を書きたかったんだろうなぁ、と勝手に推測しちゃいました(笑)
おわりに:
こんなに”パフェ”という言葉を発した(書いた)のは初めてです。
わたしに新しいパフェという世界を見せてくれた本書に感謝です。
パフェを食べたい欲が高まっているにもかかわらず、徳島にはパフェのお店がない・・・。
いつか札幌のシメパフェ食べたいです。
本の紹介というより、パフェのお話ばっかりになってしまい、すみませんでした<(_ _)>
ほんとにお話に出てくるパフェがおいしそうなので、私のように食べ物のお話がお好きな方は必読ですよ~。
本日はお読み頂きまして、ありがとうございました!!
それでは、また~
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