こんにちは、ふみチッカです。
本日は、(もう秋ですが)夏にぴったりの色鮮やかな表紙が美しい、
はらだみずきさんの小説『海が見える家 それから』のご紹介です。
「海が見える家 それから」の概要
小学館サイトより、あらすじお借りしました。
ロングセラー続編、いきなり文庫で刊行!
入社一ヶ月で会社を辞めた直後、田舎暮らしを始めた父の死を知らされた。
文哉が霊安室で対面した父は、なぜか記憶とはまるで違う風貌をしていた。家族に遺されたのは、丘の上にある、海が見える家。
文哉は、遺品を整理しながら、父の足跡をたどっていく。
すると、意外な事実を突きつけられていくのだった。豊かな自然が残る南房総の暮らしを通して、
文哉は自らの人生を見つめる時間をすごしていた。
そんなある日、元彼女からメールが届く。果たして、都会を捨て、田舎に逃げてきただけなのか?
あれから一年。自問の末、文哉が踏み出す新たな一歩とは?幸せのあり方を問う感動のロングセラー続編、いきなり文庫で刊行。
小学館サイトより
こちらの本は、2017年8月に発売された『海の見える家』の続編となる小説で、
2020年8月に発売されました。(全304ページ)
前作はこちら↓
はらだみずきさんの著書紹介
はらだみずきさんは、『海の見える家』以外にも、
「サッカーボーイズ」シリーズ
『帰宅部ボーイズ』
『ホームグラウンド』
『最近、空を見上げていない』
『銀座の紙ひこうき』
『ようこそ、バー・ピノッキオへ』
などの作品があります。
↓とっても気になる表紙。
「海の見える家 それから」の感想
まず飛び込んでくるのが美しい表紙
表紙の絵のまぶしい美しさが、パッと目に入って手に取った本書。
飾っておきたいくらいに美しい表紙です。
こちらの表紙を描かれたのが吉實恵さん。
本書の他にもたくさんの本の表紙を描かれており、
千早茜さんの『ガーデン』のあの印象的な表紙を描かれている方でした。
本もやっぱりジャケ買いのように、表紙からの印象って強いですよね。
実は前作を読んでいません<(_ _)>
手に取ったものの、確認してみると、
2017年に発売されている『海が見える家』の続編とのこと。
前作を読んでいないので、続編から読むのもなーと迷いましたが、
なんとなくあらすじを見て、大丈夫かなと思い、読んでみました。
読んだ結果、前作を読んでいなくても、内容は理解できましたし、
物語も楽しむことができました。
素直で前向きに前進していく主人公

ざっくりいいますと、
主人公の文哉が、会社を辞めて、
急死した父親が遺した、南房総の海が見える家で
暮らしている様子が書かれています。
これだけ聞くとのんびりとした悠々自適な生活に聞こえますが、
主な収入源は、10件ほどの別荘の管理業務で、
それだけだと金銭的にきびしい。
そこで文哉は、釣りをしたり、自分で野菜を作って
自給自足の生活をしようとします。

自然が相手なのでうまくいきませんが、
あきらめずに周りのひとに教えてもらったり、
自分で知恵をしぼって工夫してみたり、
どんどん行動していきます。
停滞も後退もなく、試行錯誤をして ただ前進する姿は、
見ていてとても気持ちがいいです。
文哉はほんとにたくましいし、素直。
その素直さがあるから、周りのひとも助けてくれるし、
どんどん吸収してさらに成長していってます。
「時間ならあります」と言える余裕を持ちたい

文哉の野菜作りの師匠である幸吉さんの言葉で、
あんちゃん(=文哉)は、『はい、時間ならあります』と答えた。
要するに、自分の時間を持っている。それを自分で使える。
つまり余裕があるってこった。時間がありさえすれば、いろんなやりようがある。
忙しがるやつは、これしか方法がないと思い込み、
たいてい不幸せそうな顔して生きてるもんさ
そうですよねぇ。
わたしは時間があるのに、無駄に過ごしているような気がする。
自分の時間があるのに、それを大切に使ってなかったなぁと。
文哉は、常にどうしようか考えているので、アイデアも浮かぶし、
そしてそのアイデアを実行していくので、前進していっているんですよね。
せっかくある自分の時間を、大切に使って意義のあるものにしたいです。
会社に勤めるだけではない、生き方は自分で選ぶ
こちらは文哉の言葉です。
持続可能な自給自足には、まだまだ遠いけれど、
お金とは別の手段で食べるものを手にできる。
これはとてつもなく大きな生活の変化であり喜びだ。
自分でとってくることもできれば、つくることもできる。
あるいはもらう、交換する。
なんでもお金がないと暮らしていけないと思い込んじゃってました。
なのでお金が必要だから働く。
正直、お金の心配がないなら、わたしは今の会社をすぐに辞めます(笑)
なんだか自分で書いててそんなのつまんないな、と感じます。
文哉の場合は、独身だから、とか、家があるからという前提はありますが、
それでも生きる形のひとつとして
お金を介さずに食べ物を得る、自分でつくる、物々交換する
ほかにも困っているひとを手伝うとか、
生きていくこと=食べていくことをするためには、
会社という組織に属さなくてもやりようはある
ということを教えてもらえました。
自分はどう生きたいのか、
まずはここが一番であって、
そこから、ではどうやって暮らしていくのか、
仕事やらお金やらを考えてみないと、
結局は自分の人生を楽しく生きられないですね。
おわりに
『海の見える家 それから』。
読み進めるごとに、学びが得られる小説でした。
主人公の生き方を見ながら、
自分はどう生きたいか、考えさせられます。
影響されやすいわたし、
とりあえず、放置していたベランダ菜園を
またやってみようと思います。
本日はお読み頂きまして、ありがとうございました!!
それでは、また~
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