秋のじっくり読書におすすめ「昨日星を探した言い訳」(河野裕さん)

小説

こんにちは、ふみチッカです。

本日は、初読みの作家さんの本、

河野裕さんの「昨日星を探した言い訳」です。

なかなかの読み応えのある小説で、

ガッツリ本の中に没頭して読書したなぁと感じられました。

秋の夜長に、月を眺めながら、じっくり読書におすすめの一冊です。

できるだけネタバレなしでご紹介します!

「昨日星を探した言い訳」の概要

KADOKAWAサイトより、あらすじお借りしました。

総理大臣になりたい少女とすべてに潔癖でありたい少年の純愛共同戦線!

自分の声質へのコンプレックスから寡黙になった坂口孝文は、
全寮制の中高一貫校・制道院学園に進学した。

中等部2年への進級の際、生まれつき緑色の目を持ち、
映画監督の清寺時生を養父にもつ茅森良子が転入してくる。

目の色による差別が、表向きにはなくなったこの国で、
茅森は総理大臣になり真の平等な社会を創ることを目標にしていた。

第一歩として、政財界に人材を輩出する名門・制道院で、
生徒会長になることを目指す茅森と坂口は同じ図書委員になる。

二人は一日かけて三十キロを歩く学校の伝統行事〈拝望会〉の改革と、
坂口が運営する秘密地下組織〈清掃員〉の活動を通じて協力関係を深め、
互いに惹かれ合っていく。

拝望会当日、坂口は茅森から秘密を打ち明けられる。

茅森が制道院に転入して図書委員になったのは、
昔一度だけ目にした、養父・清寺時生の幻の脚本「イルカの唄」を探すためだった――。

KADOKAWAサイトより

あらすじが、丁寧だけどめちゃながい(笑)

 

こちらの本は、2020年8月に発売された小説で、

過去一年間で最も「面白い」と評価されたエンタテインメント小説に贈られる、
山田風太郎賞の第11回候補作品となっています。
(※大賞は10月16日(金)に発表)

ページ数は442ページとなっており、かなり読み応えがあります。

 

河野裕さんの著書紹介

河野裕さんは、『昨日星を探した言い訳』以外にも、

「サクラダリセット」シリーズ、
「つれづれ北野坂探偵舎」シリーズ、
『ベイビー、グッドモーニング』、
『いなくなれ、群青』(15年に大学読書人大賞受賞)から始まる「階段島」シリーズ
などの作品があります。

 

「昨日星を探した言い訳」の感想

まず舞台設定がおもしろい

小説の舞台は、「制道院学園」という中高一貫の全寮制の学校。

良いとこの子が入る男女共学の学校です。

その中でも生徒の中で階級なるものが存在し、入る寮が振り分けられます。

男子寮は、紫雲・青月・白雨。

女子寮は、紅玉・黄苑・黒花。

上位の寮は設備も良いし、一人部屋が与えられ、

その上、下位の寮の生徒よりも偉い、とされている。

そしてどうやって入る寮が選定されるかというと、成績と寄付金。

 

うん、すでに設定がおもしろい。

現実味のない、庶民のわたしには想像できないところの学校のお話。

しかも生徒間に序列がある時点で、

これは絶対なにかが起こるに違いない、と感じます。

 

圧倒的存在 の 茅森良子

学園小説として、普通に読み進めてましたら、

いきなり圧倒的存在の茅森良子が登場。

中等部2年で制道院へ転入してきて、

「将来の目標は、総理大臣になることです。」と

まじめに言い放ちました。

 

そしてこの学校で生徒会長になるために、

非常に綿密な計画を立てて実行して行きます。

 

映画『帝一の國』っぽい

この生徒会長を目指す様子、菅田将暉さん主演の映画『帝一の國』を思い出しました。

あの映画のようにコメディー要素はありませんが、それの女性verという感じです。

(ちなみに映画『帝一の國』はめっちゃおもしろいので、見てみてほしい)

映画観るなら<U-NEXT>

 

嫌われものからのスタート

この茅森さん、転入してきていきなり女子寮の一番上の「紅玉」に入ったもんだから、

秩序を重んじる生徒たちから、反感を買い、孤立してしまいます。

 

たいてい学園物語で生徒会長になる人は、

みんなから慕われている人ばかりです。

それが茅森さんはまさかの嫌われものからのスタート。

さてそんな圧倒的に不利な状態から、どうやって生徒会長になるのか、

そしてその後は?

読み始めたら、気になって途中でやめることはできない小説です

 

ひとつも諦めるつもりはない。みんな手に入れる。
とりあえずは、この学校で得られるものをみんな。
好意も敵意も善意も悪意も、なにもかもを受け取って私の武器にする。
圧倒的に強い私になってここを卒業する。

『昨日星を探した言い訳』43項

しびれる茅森さんの言葉です。

誰も嫌わない、誰に対しても優しく接する、そして圧倒的に努力する彼女。

惹きつけられずにはいられません。

 

信頼のうえに培われた友情、からの裏切り?

茅森さんと坂口くん

茅森さんのことをつらつら書きましたが、

この本の主人公は同級生の坂口くんです。

 

冒頭のプロローグで、大人になった坂口くんから、

制道院時代に坂口くんが茅森さんを裏切った、ということが語られます。

 

坂口くんは理性的でフラットな性格。

もともと学年一位の成績だったので、

成績でも一番を目指す茅森さんからライバル視されていました。

 

それから同じ図書委員になったり、イベントの委員をしたりしていく中で

ふたりの間にも信頼関係がつくられていきます。

 

坂口くんの裏切りとは?

お互いを認め合った良い関係が築かれたままお話が進んでいくので、

いったい何があって坂口くんが茅森さんを裏切るのか、

頭のすみっこになぞを抱えながら読んでいきました。

 

ほんとにラストの方になって、それが分かります。

うーーーんこれは、

坂口くんは茅森さんを思ってしたことなんですが、

やっぱり坂口くんの心がそうしたくてしたことなので、

坂口くんは自分のためにそうしたっていうのもある。

茅森さんからすればもっとも信頼している友人からの裏切り。

 

このシーンは2人の視点から語られており、

双方の気持ちがよく分かるので、かなり切ないシーンです。

 

登場人物の心情を味わいながら読む

すみません、読んでない方からしたら、

↑の裏切りシーンのところ、なんのこっちゃですね。

ネタバレになっちゃうので、詳しく書けずモヤっとしてますが、

このお話は全体を通して、すごくていねいに文章が書かれているので、

物語にガッツリ入り込めます

ぜひ登場人物の心情を感じながら、ぜひ最後まで読み進めて下さい。

 

おわりに:実写化でみたい。

本書は400ページを超える長い小説です。

しかし、本を読みだすとその長さを感じません。

むしろ、もっとこのお話を読んでいたい、と思いました。

 

2人が出会って、信頼関係を築いていく様子、

ほかにも綿貫くんや、八重樫さん、桜井さん、先生たちとのお話。

そしてラストに至るまで、とてもていねいにお話が書かれています。

 

秋の夜長に、月を眺めながら、じっくり読書におすすめの一冊です。

よろしければ、読んで見て下さい。

それでは、お読み頂きまして、ありがとうございました!!

(この物語、映画で見たいなぁ。実写化してほしい・・・)

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